中川信夫の戦後第1作。エノケン、徳川無声、飯田蝶子らによる歌謡喜劇。馬車の御者であるエノケン、素人芸能歌合戦の審査員を乗せて街へ。そして能天気な歌合戦から、後半は水原久美子の嫁入りの送迎に。花嫁を乗せて馬車が出発。そこへ花婿急死の知らせ。いったん家を出た花嫁は、家には戻れない。墓石占いの先生の出番。これも能天気なハッピーエンド、戦後の自由恋愛を反映させた作品。

ちょっと音声聴き取りにくかったけど、オープニングの「のどか」なイラストから心掴まれて、そこからそのイラストどおりのショットに繋がる！いいですね。

芸者さんも移動に背嚢を使ってはいるけれど（お太鼓潰れちゃうよねえ？）、華やかな歌と踊り、皆で話し合う民主主義、農地改革、満州から引き揚げてやり直し。
中川信夫そして登場人物皆が、戦争の傷を明るく癒そうとしている。そんな努力の映画がこれ。悪くないですねえ。

オープニングから良い予感はしてたけど、猫ちゃん、山羊さん、ブタさん、そして馬車の軒下のマスコットと、可愛い動物たちが沢山詰まってる映画でもあった。あと何気にコンクールの二等のキューピーも良かった(⁠*⁠´⁠ω⁠｀⁠*⁠)

エノケンは何気にファッションが洒落ていて（ブルゾンの首元にストール）、「昔のお嫁さん」こと蝶子の仕事は、今なら婚活アドバイザー？（笑）


寝坊して他の映画観られなくなり代わりで観に行ったけど、多分こっち選んで正解でした。

元祖石中先生行状記