Jimmy

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-のJimmyのレビュー・感想・評価

5.0
「これは実話である。私はそれを飾らずに描く。」という冒頭の文字にブレッソン監督の思いが綴られて始まる。

ロベール・ブレッソン監督による極上の脱獄サスペンス。
脱獄を企てる囚人の手元アップ映像を多用するとともに、流れるような映像、緊迫感のある音の使い方などなど素晴らしい傑作である。

「1943年 リヨン」の文字。
ドイツ軍に占領されたリヨンで、フォンテーヌという男がスパイ容疑で投獄されるところから始まる。
独房における彼の見事な観察力、考え続ける頭、器用な手先をつかった脱獄準備の行動力などを丹念に描きながら、クライマックスの脱獄シーンでは観る者を緊張させる。

日本で初めて公開されたブレッソン監督作品なのだが、自分が観たブレッソン監督作品の中では順番的に後続になってしまったので「さすがブレッソン監督」と言いたい。
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