けーはち

ジャッキー・ブラウンのけーはちのレビュー・感想・評価

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)
3.6
70年代に流行ったブラックスプロイテーション(当時盛り上がった黒人による黒人のための映画)にオマージュを捧げ、かつての人気女優パム・グリアを悩める中年スチュワーデス役(この言い方も時代を感じる)として引っ張ってきた。相変わらず登場人物はペラペラ喋るが、露悪的な暴力は控えめに、サミュエル・L・ジャクソン演じる黒人武器密売人が力を持ち、同じ黒人たち、ひいてはロバート・デ・ニーロ演じるショボくれた白人男性をも搾取する構図を描く。音楽のセンスもデルフォニックスらR&B、ファンクといった黒人音楽のビートの効いた音が作品全体に印象深い。マニアックさと成熟を合わせ持ったタランティーノの面目躍如な渋いクライム・サスペンスであり大人の恋を描く一作。