みおこし

ミッションのみおこしのレビュー・感想・評価

ミッション(1986年製作の映画)
3.7
1986年度カンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得した名作中の名作。ロバート・デ・ニーロとジェレミー・アイアンズという名優コンビの共演ということで興味はあったものの、「重い」と評判だったので今日に至るまで鑑賞できないまま来てしまいました…!

1740年代、スペイン占領下のパラナ川上流(現在のアルゼンチンとウルグアイの間)。過酷なジャングルに暮らす先住民グアラニー族の宣教は思い通りに進まず、多くのイエズス会の宣教師たちが殉教する中、ガブリエル神父は音楽を使って一族の信頼を勝ち取ることに成功する。彼はかつての敵で奴隷商人だったメンドーサとともに更に布教を進めていくが、その活動は次第に植民地社会の有力者の反感を買うことになり…。

オープニングから、巨大な滝を始めとする南米の雄大な自然を巨匠エンニオ・モリコーネの音楽とともに堪能できる贅沢な映像体験。ロケーションのみならず、文化や言語を超えた人々の交流や新年の共有といった深いテーマに、本作のスケールの大きさを痛感…!キリスト教という、多くの日本人にとって敷居の高い題材を取り扱っているものの、宗教を超えた人と人の繋がりを教えてくれる作品で、思っていたよりも鑑賞しやすかったです。
ただ、冒頭のグアラニー族説得に至るまでの流れ、そして終盤にかけての宣教師たちの戦いの様子は悲惨そのもので、思わず目を背けたくなるシーンの連続。自分たちの身を犠牲にしてでも、イエスの教えを広めようと殉教していった彼らの姿に胸が締め付けられる思いでした…。冷静ながらも屈強な意志を持つガブリエル神父に扮したジェレミー・アイアンズ、過去と決別して新たな道を進むメンドーサ役のロバート・デ・ニーロ、そして若いながらも野心溢れるフィールディング宣教師のリーアム・ニーソン、3人とも抑えた演技ながらも見事に宣教師たちの勇姿を表現していて本当に素晴らしかったです。
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