このレビューはネタバレを含みます
宗教の存在にはとても懐疑的な私だが、これは宗教があって良かったと思わされた。
まずはスペインが南米を侵略し、キリスト教を布教させ、しかしそのキリスト教こそが原住民の命を救い、国家に歯向かう存在とさせる。なんともアイロニーだ。
そして国家による再侵略が始まる。キリスト教は彼らをより良い生活にしたのだろう。というよりも伝道師が彼らの生活水準をあげたのだ。
伊達男ロバート・デニーロが絵に描いたような悪役から改心して、それでもその改心した先にはドロドロした争いが待っていて村を守る正義の味方になり殉職していく。これだけだと寓話でしかないが、宗教と国家の争いを背景に、良いお話にしている。
国家悪が栄えて、宗教もやがて悪になってゆくのだが、実際にスペインやポルトガルはああやって原住民を殺していき、黄金を略奪していったのだから、この映画にハッピーエンドは似つかわしくないだろう。
死者の行進が壮絶で、ホロコーストよりも現実的すぎた、この映画は辛い、、、