けーはち

ランボー/怒りの脱出のけーはちのレビュー・感想・評価

ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)
4.3
PTSDでメンタルヤバヤバで普通の社会で生きられぬ最強ベトナム帰還兵ランボー、隠密作戦で捕虜を救出‼

バンダナ&筋肉、電流&焼いた鉄での拷問、ヘリでの追いかけっこ、裏切り、現地工作員女性とのロマンス(相手はすぐ死ぬ)、復讐、多勢に無勢だが敵を1人1人音もなく殺っていく暗殺作戦……アクション映画でおなじみのあれこれがセットになった元祖にして全部乗せ。

「写真だけ撮ってこい」とスパイ任務を仰せつかった本作での彼は「戦うな」「死闘はしなくていい」と念入りに釘を刺されるものの、それら全てが「絶対押すなよ」のダチョウ倶楽部に聞こえる。そもそも、長く苦しく泥臭いベトナム戦を忘れたい軍は80年代に入りハイテク電子機器導入を推し進め、マッチョでタフな過去の遺物のワンマンアーミーなど鼻つまみモノ、この捕虜救出もあまりやる気ない。案の定、地上降下時ヘリにパラシュートが引っかかるなどで最新機器を放棄したランボー。作戦は当初から大幅頓挫、司令部は作戦中止宣告。ランボーは敵地の真ん中で見捨てられ、自力で全部乗せの“怒りの脱出”を成し遂げるのであった。言わずと知れたシンプルなドンパチの上に、軍人の悲哀もぴりりと効いた名作だ。