【2002年キネマ旬報日本映画ベストテン 第4位】
『愛を乞うひと』平山秀行監督が桐野夏生の同名小説を映画化した作品。主演の原田美枝子をはじめとする女優陣は高く評価され、アカデミー外国語映画賞日本代表にも選出された。
これはかなりグロい作品。『愛を乞うひと』の平山監督だけあって容赦のない激しさがある。人体をバラバラにする描写があるので苦手な人は気をつけた方がいいかも。
というかよくこれを外国語映画賞日本代表に選んだな。かなり攻めてる。そりゃここまでの描写がある作品がノミネートされるわけない。
弁当工場で働く中年女性たちが自らの手を血に染めていく道程をコミカルに描いている。激しい話ながらも笑えるシーンも結構あって好きだった。特にみんなでカラオケにいるシーン、歌うんかい！と突っ込みを入れてしまう。
家庭崩壊している女、母を介護している女、DVに悩まされる女、借金Ｗやめられない女、社会からドロップアウトされた女たちがさらにOUTな事態へと突っ込んでいく。
原田美枝子、倍賞美津子、西田尚美、室井滋の主演四人は素晴らしい。原田美枝子のしっかりしているが鬱屈を抱えた主婦の眼差しが不気味でよかった。
ベタな音楽使いが気にならなくもないが、全体としては面白いサスペンスコメディに仕上がっている。
