マクガフィン

OUTのマクガフィンのレビュー・感想・評価

OUT(2002年製作の映画)
3.5
弁当工場と死体解体処理をする、衣類と作業内容が似ているシュールさが可笑しい。原作未読。

社会や金の呪縛が根底に渦巻いているような、人と金の繋がりによる切っ掛けで、パートの仲良い関係が一蓮托生になることを、辛気臭さなくコミカルを挟みながら健気に描くことに感心する。人間の個々・集団・社会の暗部のさり気ない切り取り方、妙に生々しい熱を帯びたまま展開し退廃的な艶っぽい色気を加味することも。

平凡な日常と死体解体する非日常、悲劇的な不幸と自業自得さや、リアルな背景と非リアルでタガが外れた行動などの全てが攪乱しながら融合し、なし崩し的に破滅へ突き進みつつ、虐げられた男や男社会からOUTする、バイタリティ溢れる清々しさが何とも言えない魅力に。