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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのぉゅのレビュー・感想・評価

3.9
2021年 鑑賞 21-295-18
「小説家を見つけたら」等のガス・ヴァン・サント監督の、天才的な頭脳を持ちながらも幼い頃に負ったトラウマから逃れられない一人の青年と、最愛の妻に先立たれて失意に喘ぐ心理学者との心の交流を描いたヒューマンドラマ作品。俳優のマット・デイモンさん(’97年当時は無名の俳優であったが、執筆した脚本の完成度の高さに注目が集まり高い評価を受けた)、ベン・アフレックさんが脚本を務めている。

フィールズ賞受賞者でマサチューセッツ工科大学数学科教授のランボー(ステラン・スカルスガルドさん)は、数学科の学生たちに代数的グラフ理論の難問を出す。世界屈指の優秀な学生たちが悪戦苦闘する中、いとも簡単に正解を出す者が現れた。その人物は学生ではなく、大学でアルバイト清掃員として働く孤児の青年ウィル・ハンティング(マット・デイモンさん)であった。ランボーはウィルの非凡な才能に目をつけ、彼の才能を開花させようとするが、ウィルはケンカをしては鑑別所入りを繰り返す素行の悪い青年だった。ランボーはウィルを更生させるため様々な心理学者にウィルを診てもらうが、皆ウィルにいいようにあしらわれ、サジを投げ出す始末。ランボーは最後の手段として、学生時代の同級生ショーン・マグワイア(ロビン・ウィリアムズさん)にカウンセリングを依頼する。ショーンはバンカーヒル・コミュニティ・カレッジで教壇に立つ心理学の講師で、ランボーとは不仲であったが、ウィルの更生のため協力することになり...

意外に思われるかもしれないが、マット・デイモンさん主演作品は初!彼の出世作で、脚本家としても才能あると注目された作品。初にふさわしい作品だと思いませんか?

「天は二物を与えず」。ウィルは、とてつもなく天才!故に、性格に難あり... いわば、ねちねち根に持つ瞬間湯沸かし器!彼の近くでマウントを取ろうものなら、一気に噛み付かれ、しかもなかなか離さない上に、数年経っても急に思い出し飛びかかってくる、そんな彼は、大学の教授たちでさえ、2年費やした難問の解答を一瞬で解いてしまうような天才!
そこに目をつけたのが、ランボー教授なのだが、彼の性格矯正には苦労を...

ショーン・マグワイア先生の登場!彼の表情から溢れる笑みが、彼の人となりを表しているよう。ウィルとショーンのファーストコンタクト...
“今度妻を侮辱したら 命はないと思え”
ウィルは自分に寄ってくる周りの人たちを舐めている?ショーン先生の見せた本当の狂気の一端が、彼との距離を変えた。

ウィルと横並びで、妻が病気で亡くなった自分の話と、分析したウィルの性格、半生、生き方を話すショーン先生の話に涙がウルっと、スカイラー(ミニー・ドライヴァーさん)という女性と出会ったことによるウィルの言動にキュンキュン。この2人との出会いこそが、ウィルの殻を破るきっかけになる!

“ささいなことが最も懐かしいよ 私だけが知っていること 世間は欠点と呼ぶが違う 愛すべき点だ その世界に誰を入れるかだよ”
“君は不完全だ ついでにその彼女も完璧なんかじゃない 要はお互いの存在価値だ それが愛情のすべてだよ”
ウィルのでまかせを見透かすショーン先生。自分の妻との思い出を元に、彼に「恋・愛」を説く。またそれが、観ているこっちにも刺さる刺さる!ショーン先生の語りかけてくること全てが、自分も思い出が蘇ってくる状態になってしまう。

ドッグレース。デート向きなの?ウィルとスカイラーのシーンは、違う意味でハラハラする状況だが、徐々に2人の距離と絆は縮まり、強固になっていくが...

“今までゴメン”
恋人(だった女性)の言葉、親友の言葉、心理学者で、心の友の言葉が積み重なり、彼の●へとなり、彼自身を変えた!ショーン先生との時間、面談、親友たちからの誕生日プレゼント。そして...

いい邦題のサブタイトル!ショーン先生の元に届いた手紙。ショーン先生は「俺の言葉パクリやがって」って言ってたけど、顔は笑っていたようにみえた!

個人的にハードルを上げ過ぎた?あと、前半と最後の展開は良かったが、ウィルのうじうじ感の強い中盤が!少し... って感じだったが、マット・デイモンさんとベン・アフレックさんの繊細さを感じたいい脚本だった。心理学についてもめっちゃ勉強したんじゃないかとも思った!その繊細さが、とっても良かった!

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