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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのmizukiのレビュー・感想・評価

4.6
誰かに何かをしてあげるよりも、誰かに何かしてもらえているということを認識する方がずっと難しくて、でも人と生きる上では最重要課題だと、この映画を観て再認識した。ラストシーンがああなるのはわかってたけど、やはりそういうことを全て踏まえて超いいシーンだった。
卑屈になる理由は色々あって、ウィルハンティングの場合は過去を引け目に感じている+天才だったから、ということだと思う。天才ではなくても誰もが共感できる映画なのだと思う。自分の中には怖いくらい入ってきましたね…。「どうせ自分は大事にされてないから、大事にされなくなる前に姿を消そう・相手に嫌われるよう行動しよう」って、自分が傷つかないための思考・行動ではあるけど…個人的には「生きる」って、他人と干渉し合うこと、それまでの過程全てって思うからなあ、今は。傷つくとしても、大事にし合えるかもしれない未来に期待して行動していたい。

前半で、人を傷つけて、反抗して、他人の愛を試す感じ、超わかるなと思った…。あれはエスカレートした場合だとは思うけど、自分が親に反抗できなかった身だから(親は絶対正しくて敬わなきゃいけないという呪いがあったから)、ある程度大人になった時に、「本心を言ってそれが相手の嫌なことだったら、全員自分の目の前から居なくなってしまう」という漠然とした不安があった。反抗してなお、「ふざけんな!」って怒ってくれたり、「反抗期だからしょうがないよな」って流してくれたり、そういう、「攻撃しても相互関係をやめないでいてくれる他人の存在」というものが誰しもどこかのタイミングで必要なのだと思う(反抗期の意義らしい。何かの本で読んだ。)。反抗させてくれた初めての大人が、ショーン。
カウンセリングとしては、ウィルの心に踏み込みすぎなので正直危険。カウンセリングの域を超えており、ウィルの一生を背負う覚悟でないと言ってはいけないことをたくさん言っていた。特に、「君は悪くない」の連呼。でも、ショーンにその覚悟があったから、自分と重なる部分があったから、わかっていて踏み込んだのだろう。始まりはなんでもいい、運命の二人だったと思う。
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