三樹夫

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

カッコいいジミー大西ことマット・デイモン演じる主人公で、自分を見せると嫌われるんじゃないかということを恐れ、自分を見せない、見せることが出来ない、自分を見せないと、たとえどんだけ天才でも何の意味もないし、数学の難問解こうが満たされない。

バーでナンパの横取りしようとした金髪ロン毛に、お前なんて引用ばっかで自分の意見何も言ってねぇじゃんと言うが、そのままそっくり主人公に返ってくるセリフである。彼も引用でしか話せない、自分のことを話そうとしても言葉が出てこない。雨の中電話かけて無言だったシーンとかロビン・ウィリアムズのカウンセリングでの無言シーンとかがそれをよく表している。何で自分を出せないかというと、嫌われるんじゃないかという恐れだったり、そもそも自分のことをよく分かってない。つまり、彼は部屋の中に引き籠ってるのと同じで、心の殻の中に閉じこもっている。
この映画のボストンは何を意味しているかというと主人公の心の殻で、だから彼はカリフォルニアにすら行けない。ボストンという彼の部屋の中に引き籠っていればとりあえずは傷つかないと逃げている。しかしそれではいけないわけで、ちゃんと踏み出さないととなる。自分と同じであるロビン・ウィリアムズや友達の励ましで殻を破り一歩踏み出すが、友達からの車のプレゼントは心の殻を破り前進するための足的な意味があって、最後にボストンから車で外に出るのが心の殻を破って自分を見せること、成長であり旅立ちという綺麗なラストだと思う。これは勿論観客へのメッセージでもある。外へ出ようよと、旅立とうよと。自分を見せるのは大切ということだ。
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