クラフト

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのクラフトのレビュー・感想・評価

3.8
心にトラウマを抱える天才青年と心理学者との交流を描いたヒューマンドラマ。

孤児という身の上から才能を発揮できず燻っていた天才が、才能を認められてトントン拍子に出世するサクセスストーリーかと思いきや、そう簡単にはいかない所が本作の深み。

他人の心の傷は容易には癒せないし、全てを理解して受け入れることもまた難しい。知識豊富な天才が相手だと尚更理論武装されて対応が難しいことがひしひしと伝わってきた。

そうした中で印象的だったのは「本で読んだ知識を並べ立てることは出来ても実際の体験を語ることは出来ないし、君は本心を語ることを恐れている」というショーンのセリフ。

実際に楽しいことも辛いことも経験してきた彼だからこそ言えるセリフで説得力があったし、だからこそウィルも彼と対話する気持ちが湧いてきたのかなと思った。