頭でっかちなだけのオタク文化そのものを揶揄しているテーマだな、とも受け止められる。
類まれな数学の才能を持ちながら素行の悪さで他者を傷つけ自分を傷つけカラに閉じこもるウィル。
彼のカウンセリングをすることになるショーン医師は彼自身も亡き妻の死のトラウマから抜け出せないでいる。つまり医者も完璧じゃないのだ。
人間は完璧を求めようと才能にすがり、それをまた他人に強要しようとする。
でも本当の幸せって個人差がある。
ウィルにとっては本当に認められたいことは数学の才能ではない。「君は悪くない」その一言をショーン医師が云ってくれることで彼は初めて救われたのだと思う。
ウィルの感情の変化の過程が実に緩やかで、繋ぎ目の見えない良く出来た脚本。アカデミー賞も納得の仕上がり。