Jimmy

その壁を砕けのJimmyのレビュー・感想・評価

その壁を砕け(1959年製作の映画)
5.0
中平康監督によるサスペンス映画の傑作‼️
テンポ良く物語が進んで先が気になる展開の面白さ、映画的な技巧の極みに見えるシーンの連続、そして出演者も豪華で個性的な役者多数🎥✨✨✨

聖徳太子の5千円札が並ぶオープニング、若い男(小高雄二)が車を買う。彼は、新潟の病院で働く婚約者を車で迎えに行く。若い男は東京・深川から戸田橋を通って新潟まで車を運転。
場面替わって新潟の病院が映り、そこで働いている看護婦が婦長に「結婚退職」の届けを提出。若い男の婚約者は芦川いづみ。
若い男が真っ暗な夜道を運転して三国峠に入り、道で手を挙げていた男を乗せてあげる。ヒッチハイカー。ここで「何か事件に巻き込まれるのではないか?」と思わせられる。
そしてヒッチハイカーを途中で降ろした直後、若い男は警官に逮捕される。強盗殺人事件が発生した直後の場所だった……という凄い展開😱
(この後は割愛)

あちこちで映像面で凝った撮り方が見られる。「暗闇の三国峠を走る車をヘッドライトの点の移動で描くシーン」、「病院を退職した芦川いづみを刑事が尾行するシーンでの横移動や俯瞰撮影」、「場面切替え時には列車移動でワイプする」など、かなり技巧派の監督に思えた。

出演陣は、若いカップルは小高雄二と芦川いづみ、巡査役が長門裕之。
その他、芦田伸介、浜村純、渡辺美佐子、西村晃、岸輝子、三崎千恵子、大滝秀治などなど豪華すぎる俳優たちが登場人物の個性を上手く演じたことも、本作を傑作たらしめた一因。

最後に特筆すべきは、やはり新藤兼人によるオリジナル脚本の素晴らしさ🌟

これは、日本映画が誇ってよいサスペンス映画の傑作のひとつ😎🌈

[追記]これまで、中平康監督の映画は数本しか観て来なかったが、こんなに素晴らしい映画を観てしまうと、やはり全作観たくなる。当面の間、マイブームになりそう…(笑)
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