ATSUSHI

アクエリアスのATSUSHIのレビュー・感想・評価

アクエリアス(1986年製作の映画)
5.0
梟が降り立つ夜、舞台は血に染まる…

公演を控える劇団員一同、ヒロインのアリシアは足を挫いてやむを得ず精神病棟へ治療を急いだ。しかし、そこで患者として運ばれた連続殺人犯はアリシア達の車へ忍び込んだのを切っ掛けに衣装係の女性が惨殺されてしまう。
惨劇の夜、警察と記者が大勢集まる。これを切に舞台監督は彼女の死を逆用し、舞台のヒットを目論んでリハを引き続き進行させる。閉ざされた舞台のなか、音楽の轟音と共に登場する殺人鬼役の「梟」。その梟こそ忍び込んだ連続殺人犯当人であり、劇団員一同にナイフを振りかざす!惨劇の夜は始まったばかりだ


断じてイタリアンホラー界の最高峰!
レンタルで見初めた当時から相当な衝撃を受けた。
残虐性を追及するフルチに、独自の色使いで攻めるアルジェントとイタリアのホラーはどうしてもクセが強いことが多いなか、本作は今でいう『ドントブリーズ』にも通ずる幽閉空間の中で殺人鬼に追い詰められるという内容なので間違いなく万人受けする方。
ナイフ、電動ドリル、斧、更にはチェーンソーというバリエーション豊富な殺戮シーン満載なので、ホラーファンとして喜ばしい。
古風な顔の主演バーバラ・クピスティをはじめ、嫌味な舞台監督と女ライバル、梟役のオカマちゃん等、登場キャラに関しても見所が尽きない。

また王道な展開のなか、絵画作品の影響を受けたカットの美しさやサイモン・ボスウェルの音楽が一線を画し、最高の逸品に仕上げている。とにかく音楽だけでも必聴!
サックスを弾くマリリンモンローもまたなかなか格好良い。

アルジェントの弟子として努めたソアヴィ監督の処女作でありながら、麗しくスピーディーなスラッシャー傑作。因みにビデオジャケットにはかの根津甚八さんがレビューコメントも載せているため、こちらもかなり重宝される!






ここからは私事ですが、友人でありレビュアーのJeffreyさんとYouTubeでイタリアンホラー対談させていただきました!

https://youtu.be/Zb22RlM2z8s

本作と『デモンズ』の紹介に挙げながら、両者の意外な接点にも注目していきますので、興味のある方は是非こちらよりお願い致します!