はる

蝿の王のはるのレビュー・感想・評価

蝿の王(1990年製作の映画)
3.6
登場するのは無人島に流れ着いた20数人の少年たちと1人の機長。(機長はすぐに姿を消す)
最年長の男の子が隊長になり、まるで軍隊のように協力しあうんだけど、、、
これだけの男子が集ってまとまるわけがない。

子供会の役員を経験したからよくわかる。
いろんな学年の子供を里山なんかに連れて行くと興奮して大変だった。特に男子。
放っておくと、誰かが泣くか怪我をするまでやりたい放題だもん。「これはまずい」って気づく子もいるけど、集団の暴走は止められない。でもこれが小学生の当り前の姿で、まわりの大人が粘り強く何度も諭していく事でルールの大切さに気づいていく。
先頭に立ってヤンチャしていた子も今ではしっかりした大学生になって、気持ちの良い挨拶をしてくれる。


でもこの無人島には大人がいないから、泣くとか怪我をするなんてもんじゃない。
かなりショッキングなシーンもあるけど、過酷な環境にいればありえると思う。

人間の心には怪物がいて、それが表に出ないようにおさえているのが社会なんだって思い知らされた。
近ごろは社会との関わりが極端に減ってしまい、自分を含めた大人から怪物が現れ始めている事にも気づいてしまった。
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