カラン

ヘルハウスのカランのレビュー・感想・評価

ヘルハウス(1973年製作の映画)
4.0
ポルターガイスト系のゴシックホラー。ベラスコという金持ちの邸宅で虐殺が起こり、彼は事件後に失踪していた。その家が幽霊屋敷化して、数十年前に調査班が送られたが、1人を残して全員死亡。それで今、物理学者とその妻、霊能者の若い女、そして前回の調査団の生き残りの1人とともに、新たに調査団が、ベラスコ邸に向かう。。。


『リング』(1998)のような日付のキャプションが、頻繁にでる。分まで表記されて簡単に読み取れない。しかも表示のタイミングが早いのか遅いのか、微妙にズレている。なかなかうまい演出。

面白いと思う。引き寄せられる。しかし異様に眠くなる。主にイギリスの役者を使い、イギリスで邸宅の外観と、一部の屋内のロケを行ったようであるが、外は建物の巨大さを出そうとしたが、あまり上手くいっていないようだ。屋内も鏡を天井に張り込んだりして、映画空間を作ろうとしたのだろうが、平面的になりがち。しかしなぜだか、面白く、引き込まれて、それで眠くなる。(^^)

色の配置と照明がいいのだろうか。スモークを焚いて雰囲気を出そうとしているがあからさまだし、死骸のメイキャップや猫の切り傷は普通か、低レベルか。何が面白いのかよく分からないし、眠くなるのである。(^^)

激しく性的な描写は脚本の段階で削除されたのであろうが、それでもかなり臭いが残っている。ゴーストを宥めようと、私の中に入りなさいと、若い霊能者(パメラ・フランクリン)がやるのだが、闇の中のクロースアップで声だけ。『回転』(1961)に出ていた子らしい。なかなかいい。

ラストで、実は秘密の部屋がありました!ってのは、本当にやめて欲しい。『闇動画』みたいに、げげー!、はいっ、おしまいってならないものか。オチをつけるにしても、せめて『ゾンゲリア』(1981)くらいに秘密の部屋に向かう映画的なムーブメント(盗撮ネタ)を作らないと、ほんとにとってつけたつまらないものになる。だいたい秘密の小部屋のオチをつけても、秘密の小部屋のオチなしでも、生き残りの人数変わらないんだからさ、余計なことなんだよね。

と、何が良いのか謎だらけで欠点も多いように思われるのだが、風合いがよく楽しく寝落ちするゴシックホラーでありました。



レンタルDVD。画質はいまいち。音質は普通。サントラはデライヤ・ダービシャーの電子音が中心で、時折アコースティックなものが入る。なかなか良いと思う。55円宅配GEO、18分の11。
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