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スリザーのkitoのレビュー・感想・評価

スリザー(2006年製作の映画)
3.5
映像は気色悪いのだけど何だか妙に面白かった。

監督・脚本のジェームズ・ガンが本作の次に撮った「スーパー!」にはイマイチ、ハマらなかったので、あまり期待せずに見始めた。ところが、予想外に良くできた”B級映画”だった。WikipediaではSFホラーコメディに分類されているが、コメディ部分はほとんど感じられない。

ストーリーは”エイリアン+ゾンビ”という大盛に欲張ったもの。「ずるずる進む」という意味の”スリザー”なエイリアンの幼虫⁈が大量に出てきて集合体恐怖症なのできしょいったらない。なのに目が離せなくなる不思議。

SFホラーな方の「パラサイト」に似ていて、当然グロ描写もてんこ盛り、ジャンプスケアまであって、なんだよ、この映画⁉︎ーーとなるのだけれど、俳優陣は見知った顔が多く、”王道オブザ王道”なテンプレ通り進み、70、80年代のB級映画の雰囲気を醸し出していて妙に懐かしく、いつの間にか楽しんでしまっていた。エンドロール後の"お約束"もちゃんと仕込まれていて嬉しくなる。

キモキモ映像てんこ盛りの中、美形なエリザベス・バンクスとタニア・ソルニアの女優ふたりを起用したのは良き。あまり頼りにならない警察署長役のネイサン・フィリオンは役柄通り影が薄くパッとしない。しかし、彼はこの後のミステリードラマ「キャッスル」が大ブレイクしている。
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