あっちゃん

トニー滝谷のあっちゃんのレビュー・感想・評価

トニー滝谷(2004年製作の映画)
3.7
坂本龍一の音楽目当てに視聴。
村上春樹の小説の世界観を壊さない作品だった。西島秀俊のナレーションが朗読のようで、ところどころ登場人物の口から同じ調子でナレーションが語られる。それがなんとも無機質で体温が感じられなくて良い。
村上春樹の小説でちょいちょい記号のように、何らかのメタファーとして描かれがちな女性を同じ俳優(宮沢りえ)が演じることで表現しているように感じる。
冒頭から途切れず流れている音楽が、途中妻が亡くなってその不在が受け入れられない間流れていない。見ている側も何か喪失感を味わう。
映画の長さもちょうど良い。中弛みすることもなく心地よく空気感を味わうことができた。

まだ大女優扱いされる前の宮沢りえがとても良い。
とても美しいし、初々しい。
2人の女性の演じ分けも良かった。
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