つのつの

サスペリアのつのつののレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.3
大林宣彦や黒沢清作品と同じく「現実的なリアル」より「映画的なリアル」を優先する作品。
変なタイミングで土砂降りになり、照明が真っ赤になり、派手なバイオレンスが展開される。
それは現実的な物理法則などとは全く相容れないものだけれども、ホラー映画を作る際に優先されるのは「現実」よりも「恐怖」だ。
だからこの過剰な演出な数々は何も間違っていない。

チープではあるもののエクストリームな描写満載の本作だが、それでも全ての瞬間があまりにも美しい。
シンメトリックな映像に、ビビッドな色彩。
夜の闇に沈む博物館の外観の不気味さも素晴らしい。
それはまさに「映画なんだからこれぐらい派手でいいだろう」という監督の宣言にも聞こえる。

IMAXとかで見てみたいな。
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