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冒険者たちのbennoのレビュー・感想・評価

冒険者たち(1967年製作の映画)
4.7
友情と愛情の境界で揺れ動く2人の男と1人の女…彼らはそれぞれに夢を持ち…夢破れ…新たな夢に向かって冒険を始めます…。

飛行機乗りのマヌー(アラン・ドロン)…
スポーツカーのエンジニア、ローラン(リノ・ヴァンチュラ)…
個展を夢見る前衛芸術家レティシア(ジョアンナ・シムカス)…


夢に破れ傷ついた3人ですが…コンゴの海底に莫大な財宝が沈んでいるという話を耳にし、一攫千金を夢見る旅へ出かけます…。

レティシアに対する2人の男は、はっきりしたことは何も言わずに…けれど気持ちは画面からはっきり伝わります。観る者の感性に訴えかけるようなとてもプラトニックの愛情…。

また、今作の映像はロケーションの素晴らしさに加え、色彩が素敵…特に赤、黄の原色の差し色がとてもアクセントになってます…タイトルロゴの黄色や赤いシボレーのピックアップトラックがとても可愛い…飛行機との並走も見応えがあります…。

それに加えて、ファッションが素敵…とてもカジュアルでさりげないのがフランスらしい…ジョアンナのピーコートやバーバリーのマフラー…極め付けはパコ・ラバンヌのドレス…美し過ぎ、ドロンのスーツ姿は言うこと無しですが、リノのダブルのスーツやニットタイの抜け感がチョイ悪で堪らなくカッコいい!!

そして何と言ってもフランソワ・ド・ルーべの音楽が素敵過ぎ!! 『愛しのレティシア』の口笛はず〰︎っと頭の中をループします…。


  〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜






3人は謎の男の助けを借り、苦労の末、遂に財宝を発見します…しかしその後ギャングに襲われ、レティシアは命を落としてしまうのです…。

コバルトブルーの海にレティシアを沈める水葬の映像はとても美しく、自由を願ったレシティアがまるで海の中の自由の女神のよう…。

流石、ジャック・マイヨールの国…今作では海中の映像も見所のひとつで、ウェット・スーツの黄色がとても映えます…。

残された男2人の中には在りし日の彼女の面影が…その折り合いをつける様がなんとも切ないです。

そして彼女が憧れていた「家というより、海に囲まれた昔の要塞」をローランは手に入れます…。

美しい海上の要塞島(Fort Boyard)は彼らにとって…最後の自由の砦…。

しかしそこにもギャングの手が…マヌーは銃弾に倒れてしまいます…


ローランはマヌーに…

« Manu, tu sais ce qu’a dit Leticia? Elle voulait vivre avec toi. »
マヌー、レティシアは言ったぞ…お前と暮らすって…。


マヌーは微笑みながら…

« Ce que tu es un menteur… »
     この嘘つきめ…



そう…生前レティシアはマヌーではなくローランと一緒に暮らしたい…と言っていたのです…๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐


ご都合主義のツッコミどころ満載ですが、何故か展開が心地よく、3人のプラトニックな恋愛感情に心揺さぶられます…その中でのレティシアの美しさがとても素敵でした✩⃛⋆*


thanks to; みんとしゃま ✩°̥࿐୨୧

thanks to; JTK 師匠 ✩°̥࿐୨୧

thanks to; HKさ〰︎ん ✩°̥࿐୨୧
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