ジャイロ

影なき男の影のジャイロのレビュー・感想・評価

影なき男の影(1941年製作の映画)
3.9
『影なき男』シリーズ第四弾

子ども、大きくなったなあ。いつもの夫婦漫才ですね。ここまで来ると安心して観ていられます。ふうん、今回はチュッチュしないんですね。円熟した関係になってきたということなのかもしれない(ちょっぴり寂しい)。

主役はこの人、相変わらずのウィリアム・パウエル。人を食ったようなキャラは健在ですね。

そしてマーナ・ロイ。なんか良妻賢母のオーラを纏ってきてない?さすがです。歩く良妻賢母(そりゃそうか)。と感心してたら全然変わってなかった(笑)
好奇心には抗わない。本能型。まるで、すました猫みたい。

もちろんアスタも健在です(前作の子犬たちどこ行ったの?(笑))。今回はいつになく大活躍します。いいぞ~もっとやれ~。ライオンには、敵わないけど(笑)

二つの事件にさりげなく巻き込まれ、奥さんの後押しもあって(笑)、どんどん深みにハマっていく。会話が楽しいですね。パターン化してきた気もしますが、それはそれで楽しめます。

そしてなんと、本作にはあのステラ・アドラーが出演しているのです。舞台中心に活躍していた彼女の数少ない映画出演作のひとつ、それがこの『影なき男の影』なのです。リアリズム演劇の第一人者コンスタンチン・スタニスラフスキーから直接指導を受けた唯一の米国人俳優。彼女は後にマーロン・ブランドやデ・ニーロにも演技指導をしたといいます。立ち居振舞いが自然だし、顔の筋肉の動きがただものではない(表情が豊か)。なるほど存在感ありますね。異彩を放ってました。そんな彼女の演技を観られるなんて貴重ですよこれは。

このシリーズ、誰か犯人なのか、予想が全く当たらないのでそれが楽しみでもあったのですが、今回、初めて予想が当たりました。4作目にしてようやく分かってきたようです(勘だけど)。直感って大事。

続き、観たいけど持ってないんですよね。まぁ、縁があればそのうち観られるんじゃないかな?

面白かったです(^^)