ギルヲ

名もなきアフリカの地でのギルヲのレビュー・感想・評価

名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)
4.1
ナチスから逃れるためにケニアに移住したユダヤ人家族の話。
弁護士だった父は異国では頭脳労働に就けずそれ故の無力感に苛まれ、母は当初、事の深刻さを理解できず自らの現状が受け入れられない。幼い娘レギーナだけがアフリカに溶け込み黒人の子どもたちとも仲良くなる。
家族に雇われた料理人オウアの、穏やかで控えめでありながら家族のかなめのような存在でもあるという佇まいが素晴らしい。
戦争は終結に向かい、幼いレギーナは美しい娘になり、母もいろんな出来事を経てアフリカ馴染んでゆき、父も反ナチスとして連合軍に加わることで誇りを取り戻してゆく。
わりと淡淡とした作風でドラマティックな盛り上がりには欠けるんですが、ひとつの家族の重要な7年間をとらえた作品としてとても良いと思いました。
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