このレビューはネタバレを含みます
なんだかんだで3回目くらいなんですが、見るたびに印象に残らない理由がなんとなくわかりました。
おそらく、コンセプトとアプローチが若干ちぐはぐなんですよね。
コンセプトとしては、怪獣プロレスを廃して怪獣としてのゴジラを描こうとしてる。
一方、商業的な狙いからかエンタメ押しのアプローチを取っているため、スーパーXみたいなのが登場したり武田鉄矢が妙に目立ってたりと、原爆のメタファー的な重い内容でもなく、なんとも言えない中途半端なバランスになってると思います。
エンタメ路線で行くなら怪獣プロレスは残すべきだし、そうでなく原点回帰するならもっとシリアスで現実的な描写に徹するべきだったな…と思ってしまいました。
まあもちろんノスタルジー目線で見るなら武田鉄矢やスーパーXのケレン味とかも嫌いじゃ無いんですが、映画としては見過ごせないレベルでノイズになってるなと感じます。
ただ全部のシーンが悪いというわけではなく、最初のショッキラスの下りのホラー展開は結構好きですし、総理が原爆使用を認めないシーンはアツいなと思います。
この路線でゴジラをもっと怖く描きつつ、ゴジラの被害者とかも明確に描いてれば(最近のゴジラ作品がやってることですが)単体の作品としては良くなったかなあと思います。
ただ、この半端さが後のVSシリーズに繋げうる余地にもなってると思うので、これはこれで良かったのかなとも思いました。
(シリアスすぎると、このあとまた仕切り直す感じになっちゃって続かなかった可能性もありますしね。)