Jimmy

遊びのJimmyのレビュー・感想・評価

遊び(1971年製作の映画)
4.0
増村保造監督×関根恵子主演の1971年の大映映画。
大映が倒産した1971年、増村監督の大映ラスト作品。
関根恵子もヌード辞さないカラー映画。

基本的に青春映画の様相を呈しているが、この映画の予告編の宣伝文句「遊びというには、あまりにも激しく哀しく」という言葉がピッタリくる感じ。

物語は、工場勤務の17歳の女性工員=関根恵子は不幸な家庭。父親は呑んだくれ、姉はねたきりの病気、母親は内職しているものの貧しくて、関根恵子に金をせびっている。
また、あるチンピラ=大門正明は、親分=蟹江敬三にヘコヘコしているのだが、関根恵子にバッタリ会い、最初は親分たちに回そうと思っていたのだが、関根恵子とはお互いに好きになる。
二人がゴーゴークラブで踊るシーンは、照明が途切れ途切れになり、インパクトあり。(ダイアン・キートンの『ミスター・グッドバーを探して』のラストシーンみたいな感じ)

親分に回すはずの女性=関根恵子を連れて逃げるあたりから、破滅的な青春の雰囲気が出てくる。

「増村保造監督が青春映画を作ると、こういう描き方になるのか」と思ってしまう。
みずみずしさも感じられる佳作。
Jimmy

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