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ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつのISHUのレビュー・感想・評価

4.2
* ビートルズ結成前の実の母親ジュリアと、育ての親ミミ、ジョン・レノンを描いた作品。 

ポール役がラブ・アクチュアリーのサム役の子!おっきくなったなぁ。顔全く変わらないけれど。小さころはくまさんのぬいぐるみみたいでかわいらしかったけれど、大きくなっても童顔。あれま。顔ちっさいのでそのまんま身体が縦にみにょーんと伸びたような感じ。そしてミミ役はフォー・ウェディングのクリスティン・スコット・トーマス。この人、結構好き。そしてプレスリーのブルームーン(ノッティング・ヒルでちらりと使われている曲)が流れるくだりではリチャード・カーティス(上記三作品の監督)をなんとなく思い出した。オマージュか? 

と、物語以外のところについつい目がいってしまったけれども、ジョン役の子の演技もよかったと思う。もっとはちゃめちゃだったんでないか?とも思うけれど。実のお母さん、ジュリアがすごくよいです。ぶっ飛んでて、明るくって、でも不安定で、音楽を母から教わった、というのがひしひし伝わってくる。一方で厳格なミミも、普段はわかりにくいものの、ジョンを実の子のように愛している。そんな二人の母親の、すこし歪んだ愛に包まれて育ったジョンレノン。後にオノ・ヨーコと恋に落ちたのがなんとなくわかってしまったきがする。オノ・ヨーコの半生はジュリアとかぶるのだ。夫がいても、新しい人とすぐ恋に落ち、また実の娘と離れ離れの生活を送っていたヨーコ。世間一般にはエキセントリックでひどい女かもしれないけれど、ジョンにはヨーコの愛が痛いほどよくわかったんではないだろうか。ジュリアは夫の支えが必要な弱い女の人みたいに表現されていたけれど、もし本当にそうだったのだとしたら、ヨーコの強さにジョンは惹かれたのかもしれない。なんてことを思ったのでした。 

ジュリアの衣装がとってもかわいいです。ホルターネックのワンピがかわいい。普通のリバティ柄のワンピースにカーディガンとか、丈短めのブラウスにサブリナパンツとか、シンプルなんだけどかわいい。真っ赤なコートがとっても似合う。ラストのジョンの衣装も、なんだか最近のおされ男子を彷彿とさせるファッション。今50年代流行ってるのかしらん。
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