メル・ブルックスのスペースボールを見た後にこの映画を無性に見たくなってDVDを引っ張り出した。スチュワート・ゴードン監督の日本アニメ的SF像へのこだわりを強く強く感じれる映画。
個人経営の宇宙トラック野郎デニス・ホッパーが景気の悪さから裏仕事を引き受けたらブツがやばい代物=政府が発注した殺人バイオロイドでした的な話。この積み荷を狙ってきた宇宙海賊を相手にバタバタしてたらバイオロイドが起動しちゃって大騒ぎになったりならなかったりラジバンダリのお話は正直つまらないけど、労働者階級の日和見親父が主人公だからヒロイックな活躍は似合わない。お話より生活臭あふれるSF感を楽しむ映画だと思いました。ほぼノーCGで光学特撮の宇宙シーンはアニメチックな原色バリバリで見てて楽しい。黄色と赤のボディにはデコトラみたく電飾こそないけど正面にヘッドライトがキラキラ眩しい宇宙トラック「パッキーダム(ゾウさん)2000」。そのコクピットは細部まで作り込まれてて壁やステアリングに埋め込まれたCRTモニタにはビデオ通信の映像やそれっぽいメーター表示が合成じゃなくちゃんと映し出される。このあたり「ロボ・ジョックス」よりお金かかってる感が強め。宇宙服を着込むシーンで腕を通してない袖のとこが無重力だからフワフワ浮いてたり無重力ケンカのシーンで殴られた男の吐血&折れて吐き出された前歯がCGで描かれるこだわりよ。
宇宙戦艦ヤマトもしくはアルカディア号っぽい海賊船で登場のチャールズ・ダンス船長は軍用コートに身を包み半身機械のちょっと哀しいヴィラン。その子分衆のリーダーは「こいよベネット」「ウェズ ウェズ 俺の言う事を聞け」でおなじみのバーノン・ウェルズ伯父貴。顔面タトゥー&ロン毛だ。ふたりともかっこいいぞ笑