ぺんじん

ヤンヤン 夏の想い出のぺんじんのレビュー・感想・評価

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)
4.6
祖母が倒れてしまった事をきっかけに、家族それぞれがバラバラの方向に向かってしまう様子をエドワード・ヤンらしいワイドなショットで描いた一作。
楽しそうな邦題とは裏腹に現代の核家族が抱える問題をゆったりと描いていて、真綿で首を絞められるような感じがする。大人びたヤンヤンもその不穏な雰囲気を感じ取ってなんだか苦しそう。
やはり印象的なのはヤンヤンが撮った後頭部ばかりの写真。「自分の姿は自分では見えない」というありふれたメッセージが、映像だからこそ、視野が狭くなった家族に対しての救いのメッセージとして強く印象に残った。結婚式から葬式へ、赤から黒へと、儀式で始まり儀式で終わる構造が美しい。
ただ終盤にゲームの映像を差し込むのは今観るとちょっと陳腐かも。
ぺんじん

ぺんじん