イギリス留学を終えてバグダッドに帰省した王女が、盗賊団の策略により父親が殺害されたことを知らされる。四面楚歌の状況に置かれた王女が犯人捜しを繰り広げる、アラブが舞台のアクション・アドベンチャー映画。
盗賊団の首領を捜すアレムラク族の王女(モーリン・オハラ)、殺害の濡れ衣を着せられてしまうジャジール国の王子(ポール・クリスチャン)、政治の腐敗に関与している総帥(ヴィンセント・プライス)。この3人が、それぞれの立場から揺動を仕掛けていく。
中盤部に入ると、盗賊団を必要悪とする、悪どい政治活動が浮き彫りになる。そして、主人公の王女と嫌疑を掛けられた王子が結託して、盗賊団の内部に潜入する。作戦遂行のドキドキ感が薄いけれども、首謀者へと接近していく過程はそれなりに面白い。
屋外ロケのカットとスクリーン・プロセスを使用した屋内カットが何度も入れ替わるので、時代性を汲み取りながら鑑賞するスタイルが楽しくなってくる。総天然色でアラビアン・ダンスを披露する、モーリン・オハラの美貌は言わずもがな。