猫の打算的な思考能力を研究しているホラー作家(ピーター・カッシング)が、異なる時代の恐怖エピソードを披露していく。猫のミステリアスな雰囲気を恐怖の対象として捉えている、オムニバス・ホラー。
第1話は、財産を得るべく主人を殺害した家政婦が、凶暴化した飼い猫軍団の襲撃を受けてしまう物語。「椅子などを振り回しながら、蹴散らして行けるのでは?」と思ってしまうが、多頭飼育と信頼関係を根底にしたカオス状態を描くことに成功している。
第2話は、黒魔術に傾倒している愛猫家の少女が、意地悪な従姉妹に虐げられてしまう物語。子役によるボヘミアン系のコスチューム・プレイが印象的であり、容赦ないラストも含めて、イジメられっ子目線のカタルシスを得ることができる。
第3話は、愛人の女優と一緒になるべく、完全犯罪で妻を殺害した俳優が、妻の飼い猫に監視されてしまう物語。頭脳明晰な猫ちゃんを猟奇殺人鬼に置き換えているような作風。あまりにも非現実的な話だが、ペットに対する強迫観念が刺激させられる。