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ロベレ将軍の4のレビュー・感想・評価

ロベレ将軍(1959年製作の映画)
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死をもってしか真実は得られない。
まるで森崎東の『まぼろしの特攻隊』のような、嘘を嘘のままに真実にしてしまう人物が確かに存在している。
嘘に取り憑かれ嘘を積み重ねる虚言癖にも見える彼らだが、嘘を本当にすることには一切関心がない。彼らが求めるているのは真実であり、真実というのは因果関係も時間の前後関係をも逆転させながら、それでも辿り着いてしまう運命に近いものだ。だからこそ彼らは結末に辿り着くまでは、ただ嘘をついているようにしか見えない。真実というのは嘘に属し、嘘の先にしか真実はないのだ。
一方、本当の先にあるのは遠近法による本当らしさしかない。映画が目指すべきなのがどちらかは言うまでもない。
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