ロベレ将軍の作品情報・感想・評価・動画配信

「ロベレ将軍」に投稿された感想・評価

monaminami

monaminamiの感想・評価

4.3
前半の軽やかすぎる詐欺師のターンから、潜入捜査な将軍に扮しガラッと空気も変わる。そんな激動の時代のミラノよりのジェノベーゼ?な男の心変わりを見事に演じたデ・シーカの渋み。
otom

otomの感想・評価

4.3
前後半と異なる具合に人を欺く役者デ・シーカ。詐欺師なそれから始まり、愛国心の芽生えに衝動的にキリッとなる覚醒演技が見事。度々の郷愁と銃殺の背後の壁に描かれたジェノバの図の使い方もなかなか。かなり上手い作りだとは思うのだけれど、謎のα波的な何かをキャッチして寝落ちしまくってしまった。
orixケン

orixケンの感想・評価

4.0
その地位がたとえ偽物であってもその地位を演じればそれらしい人間になるということか。いい映画。
ロッセリーニ×デ・シーカ。デ・シーカは俳優としても格好いい。その日暮らしをしていたチンピラは、罪を逃れるためレジスタンスのトップに成りすますことに...口から生まれてきたような男が、徐々に国のために何もしなかった自分を省みるようになり、最後は英雄として死んでいく。
隙のない映画で、あんまり隙がないから二回くらい中断してしまった……
あえて気持ちの入れ場を探すとしたらイタリア人なのにドイツ軍の命令で動き部下もドイツ人ばっかの板挟みの中で辛うじて理性的な選択を試みようとするミュラー大佐かな
ロッセリーニってネオリアリズムの創始者、ヌーヴェルヴァーグの父というとこころで貧乏そうだと思い込んでいたが、金持ちで戦前は、ファシスト政権下の戦意高揚映画を作っていたとは・・・そしてネオリアリズム、バーグマン時期、そして復活期。その時の作品。改めてヴィットリオ・デ・シーカは、美男子だ。ハンネス・メッセマーとの演技対決は、見事だ。前半、だめ男がドイツ側と交渉しているふりをして金を引き出しギャンブルに明け暮れる女にかなりだらしない話で、ロベレ将軍の身代わりにさせられレジスタンスの情報を聞き出すことをミュラー大佐から命じられる。サスペンスあり駄目さがあり、そして信念とはという多彩な見方が出来る映画でセットもそんなに大規模でないがスケール感があるのは、ロッセリーニだからだろうか。偽者が本物になるという人間物語でもあり感動的であった。
 鑑賞そのものは苦痛に近い。見世物(スペクタクル)としては今三歩であり、逮捕前は大半のシーンが無駄としか思えない。演出もひどく、わざとらしく性急に動くカメラは、余計なことをしなければ得られたはずの緊張感を画面から剥奪してしまう。実際の当時の戦禍の光景を交えるのは監督の代表作と同じ手法だが、さすがに戦後15年経とうとしている時期ではフィクション部分と遊離してしまっている。
 さて、COVID-19が本格的に騒がれ始めた頃にカミュの『ペスト』がにわかに注目を集めた(あるいは誰かが集めようとした)が、そのなかの「人は神によらずして聖者になり得るか――これが、今日僕の知っている唯一の具体的な問題だ」という台詞が妙に印象的でよく覚えていた。
 そして、この言葉の重みが段々と解ってきた気がする今日この頃、同時代人のロッセリーニもまた、同じような問題関心をもって映画を撮っていた人だったのではないかと思われてくる。
 聖人に「なる」という点が重要だ。最初から聖人なのではなく、ただの人間が聖人へと変わっていく。そのプロセスこそを、ロッセリーニのいくつかの映画は語ろうとしている。この映画もその1つであり、その意味ではなかなか興味深い作品だった。
 とはいえ、カミュと同様、ロッセリーニは神と縁を切っているのだろうか。いや、信仰に関する彼の立場は両義的に見える。ともあれ、この映画では少なくとも「信じる」という「なる」について、見かけ以上に深い考察がなされている。神ではななくとも、何かを信じることが、聖人になることとセットなのだ。
 さらに、それは言葉というものと結びついている。ロベレ大佐に面会に来た妻を、『戦火のかなた』のベルクマンを思い出させるナチス将校が言葉巧みに説得して帰らせるシーンがある。この説得の台詞が実に見事で、「これなら引き下がってもおかしくない」と思うものだった。が、これは真っ赤な嘘なのである。そしてロベレ将軍のフリをさせられるデ・シーカ演じる主人公も詐欺師であり、劇中の彼の言葉も大半は嘘である。しかし、映画は、そうして騙された大佐の妻による手紙の言葉が、結局は主人公を突き動かす。ロベレのフリをした主人公の言葉もまた、人びとの心の支えとなる。
 このように、本作のテーマは「言葉」にあると言ってもよいのだが、その力の源泉は信じるという人間の能力にこそある、とロッセリーニは言いたいのだ……と思った。まぁ、これは多分に自分が思ったに過ぎないことには違いないが。どっちみち映画としてはつまらないです。
Jumblesoul

Jumblesoulの感想・評価

2.5
ロベルト・ロッセリーニ監督のレジスタンスもの。名監督のヴィットリオ・デ・シーカが俳優として堂々の主役。
『無防備都市』の頃と違って、一般人のセコい詐欺師が巻き込まれ、さいごには本物のレジスタンスのように自ら死を選ぶという展開と結末。さすがに少し綺麗事すぎる印象が残る。
今から60年も前に製作された作品ではあるがリストアかリマスターされたのか、新作のように綺麗なモノクロ映像。最近よく観ている邦画のレトロ作品は、修復されずにデジタル作品にされたと思われるものが多いので随分違うものだ。日本は映画芸術に対する敬意が足りないぞ。
birichina

birichinaの感想・評価

3.5
演劇のような作りの映画だった。映画のセットの中で登場人物が演劇のように動いたりセリフを言ったりする感じ。
前半と後半がまるで別物。シリアスな後半よりコンメディア・イタリアーナ的な前半のほうが気に入ったが、有名なこの作品をようやく観ることができて満足。
前後半ともセットで撮っているようだが、前半は当時の町やお店に貼られたポスターやビラが見られて興味深い。後半はほとんど刑務所の中だが、牢屋の壁に書かれた遺書は再現しているのだろうと思うと心が痛む。

前半:賭け事好きな主人公が賭けに負けた借金を用立てるために元恋人やドイツ軍に連行されたらしき夫の消息を按ずるお金持ちの婦人を、あの手この手でだまそうとする。ずる賢い(furbo)感じがイタリア男っぽくて面白い。
後半:前半の詐欺罪をネタにドイツ軍将校から、「反政府組織の英雄ロベレ将軍(ドイツ軍が誤って殺してしまった)の身代わりとなって刑務所に入り、中にいるパルチザンたちの様子を探れば詐欺罪は見逃す」という話を持ちかけられて受託。ところが刑務所内で同国人たちが拷問を受けたりしているのを見て正義感に目覚める。ラストに向かってどんどんシリアスになっていく。

まだ刑務所に入りたての頃のシーンで、特別に差し入れられたコーヒーに砂糖をガパガパ入れ、さらに紙に何杯か包んで隠し、仕上げに一匙口に入れるシーンが気に入った。
後半
第二次世界大戦末期パルチザン闘争、ナチス占領下のミラノ。
ナチスに身内を捕らえられた家族から金を騙し取り賭博金を稼ぐ姑息なペテン師が運命の悪戯で英雄を演じる事になった実話に基づく物語。

ゲシュタポの手先として反乱軍のリーダーを探る為に監獄に潜入したペテン師の心の移ろい、"政治犯"とされた同胞達と関わっていくうちに徐々に愛国心が芽生えはじめていき最後に矜持を魅せるという悲喜劇を、あのヴィットリオデシーカが自ら妙演している。

魂の反乱から雪上の処刑までに見られる道化の末路が良い意味でネオリアリスモらしからぬ哀愁を漂わせている名作。
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