どうしようもなく浅はか

28週後...のどうしようもなく浅はかのネタバレレビュー・内容・結末

28週後...(2007年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

前作から、監督や脚本を初めとしたスタッフやキャストが色々変更されている続編。ちなみに、今作の視聴後にスタッフやキャストを調べたら、脚本の担当者が4人もいた。個人的には、脚本家が多い映画は地雷映画の割合が比較的高くなるという印象がある。

まあ、無駄話は置いておいてここからは感想に入っていく。
まずこの映画は、意外性を出すためなのかどうかは知らないが、ロバート・カーライルが演じていた(好感は持ちづらいものの)良くも悪くも最も人間的で興味深いと途中までは感じられていた登場人物を、映画の前半(というかほぼ第一幕)でバカな行動をとらせて殺してゾンビに変え、そこから今までなんの深堀もなかった上に好感の持てない人物(特にガキ2人)に主人公がシフトするという最悪の問題を抱えた作品である。正直、私にとってある程度はマシに思えた映画の前半部分でも登場人物(特にクソガキ2人)のバカな行動や、特に何も起こらない上に無駄に長すぎて飽きてくる第1幕などの問題点は多く見られるが、少なくとも面白くなりそうな雰囲気はあったと思う。オープニングパートも正直純粋に好きだった。まあ結局、前半で積み上げてきた面白くなりそうな要素を、この映画自らブチ壊したわけだが。
登場人物に関して他には、ジェレミー・レナーが演じている人物は、興味深さの欠片も無いものの、少なくとも人として好感は持てるようなキャラクターではあったと感じた。しかし、彼も映画のラスト2, 30分かそこらで、酷い死に方をした。この映画内で主要登場人物たちは酷い死に方を普通にするが、そこには何の意味も感じられない。主要登場人物を殺すこと自体については問題無いと思うが、つまらないバカなクソガキ2人のために、彼らを守る人物(興味深くはないが少なくとも好感の持ちやすい人たち)が酷い死に方をするのを見ると流石にイラつくし、クソガキ2人のスクリーンタイムが長いのが非常に苛立ちを覚える。守られる側の人間に、守るべきほどの価値を感じられない。ガキ共に対して好感を持てるようにしなかった脚本家の責任である。
そして次に、この映画の気に入らなかったところとしてガキ2人や父親のバカな行動について指摘している人は多いし、私もその意見には賛成だが、この映画は脚本だけでなく他の技術的な面でも、普通にムカつくほど酷い。例えば、カットを多用する編集を初めとして、この映画の編集や撮影は多くの場面で気に入らないものだった。特に暗いシーンで光がチカチカしてる上にカットが多用されているシーンでは非常に苛立ちを覚えたし、前作はここまで視覚的に見づらい作品ではなかった。
他にもツッコミたくなるような箇所や、前作から使い回されて今作で複数回使われてる音楽、それから単純に技術的な面で出来が悪い場面や、映画に合ってない酷いシーン(ヘリコプターのバカみたいなシーン)が多々あったが、これ以上ここに文句を書く気も起きないので、この辺りで止めておく。
これはあくまで私の意見として言わせてもらうが、この映画『28週後』は、素晴らしい前作の足元にも及ばないナンセンスな駄作である。