ILLminoruvsky

オール・アバウト・マイ・マザーのILLminoruvskyのレビュー・感想・評価

3.8
原題『Todo sobre mi madre』 (1999)

監督・脚本 : ペドロ・アルモドバル
撮影 : アフォンソ・ビアト
編集 : ホセ・サルセド
音楽 : アルベルト・イグレシアス
出演 : セシリア・ロス、マリサ・パレデス、ペネロペ・クルス、他

突然の事故で最愛の息子を失った母親の秘めたる過去と、彼女と関わり合う様々な女性たちの複雑な人生模様を力強く描いたヒューマンドラマ映画。

「喪失からの再生」映画。
そして、
「女性讃歌」映画。

愛する息子を亡くした母親を通し、様々な職業・性格・性的嗜好をもつ女性たちの姿を、ペドロ・アルモドバル印の、カラフルで鮮やかな映像と、ペニスをもつ女性、売春婦の子を身ごもる聖職者、エイズ、死と誕生といったような彼でしか描くことのできないような特濃の世界で描き、『イヴの総て』や、『欲望という名の電車』を劇中で巧みに引用し、様々な女性たちにささげる女性讃歌となっている作品。

「ベティ・デイヴィス、ジーナ・ローランズ、ロミー・シュナイダー… 女優を演じた女優たち、全ての演ずる女たち、女になった男たち、母になりたい人々、そして私の母に捧げる」
- ペドロ・アルモドバル -
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