りょう

シン・シティのりょうのレビュー・感想・評価

シン・シティ(2005年製作の映画)
4.2
 当時は深夜のシネコンで観た記憶があります。それまで「デスペラード」3部作のイメージだったロバート・ロドリゲス監督ですが、めちゃくちゃスタイリッシュなアクションで新境地を開拓したという感じです。
 フランク・ミラーが自身の原作コミックを2人の共同監督で演出していますが、たしかコミックそのものを脚本にしたので、ト書きなどの活字がなかったはずです(嘘かもしれません)。「コミックをそのまま実写化したような…」という感想は、監督たちの意図そのものでしかありません。モノクロを基調にしつつ、ワンポイント的なカラーという表現も必然的なものだったはずです。
 映像はスタイリッシュなのに、登場人物たちがやっていることは漫画の世界観で、かなり無茶だったり荒唐無稽だったり、それを映画の許容範囲で映像化しているのは、元ネタを創作した原作者と職人的な演出家の共同作業だったからでしょう。
 かなり豪華なキャストですが、暗殺者のミホを演じたデヴォン青木が強烈な印象です。アメリカ人からすればエキゾチックな和風の女性でしょうが、日本人からするとアメリカナイズされたクールな魅力に惹かれます。プロローグとエピローグだけに登場するジョシュ・ハートネットはかなりおいしい役柄でした。
 2014年の続編はイマイチだった記憶しかありませんが、この作品は、どれも暴力ばかりなのに、3つのエピソードがどれも面白く、しかもうまく連結して飽きさせない秀作です。
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