【人生って冷たいのね】
クロード・ミレール監督×シャルロット・ゲンズブールのひと夏の青春ドラマ。
〈あらすじ〉
7月のパリ。夏のバカンスにわくリセエンヌたちにまじって、13歳のシャルロットはなんとなく憂鬱だった。何故だか自分でもよく分からないが、無骨で頑固な父や口の悪い兄、メイドで亡くなった母代わりのレオーヌに、ついあたってしまう。そんなある日、教室に行こうとしたシャルロットの耳に、音楽室から美しいピアノのメロディが聞こえてきた。おもわず覗き込んだ彼女はそこで、同じ13歳の天才少女ピアニストのクララの姿を目にする...。
〈所感〉
最近見た『アンチ・クライスト』や『ニンフォマニアック』の成熟した変態チックなシャルロット・ゲンズブールしか知らないのでこの頃の14歳と幼い彼女はピチピチでレモンのようでフレッシュで新鮮だった。本作のシャルロットのような少女と女性の中間くらいの年齢の子って確かにちょっと背伸びしたがって大人のことに興味を持ち挑戦しだす時期だよね。少しの期待で軽々と跳び箱を越したかと思えば、少しの侮蔑で地の底まで沈んでしまうシャルロットが恐ろしく健気でどこにでもいる平均的な女の子でとても良かった。冒頭の水中飛び込みの授業怖い!フランスでは当たり前のようにやるのか。途中の着替えのシーンで普通にシャルロットの乳房が映るシーンがあったが、あれ今ではポルノ法かなんかで絶対アカンのでは。古い作品だけにこういうのもお楽しみ要素としてはアリか。暑い夏に人生の冷たさを味わう色々な意味でとても甘酸っぱい青春ドラマであった。