福福吉吉

奇跡のシンフォニーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

奇跡のシンフォニー(2007年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
11歳のエヴァンはニューヨークの養護施設で両親の迎えを待ち続けていた。ある日、エヴァンは聞こえてきた音楽に突き動かされて、施設を脱走する。エヴァンは様々な出会いを経て音楽の才能を開花させていく。エヴァンは両親に自分の音楽を届けようとする。

◆感想◆
養護施設に預けられた子供が両親との再会を信じて、自分の音楽の才能を開花させていくストーリーとなっており、予定調和なストーリーながらも主人公の少年の行動の健気さや両親への思いが伝わってきて、望まれる結末をしっかり描いていて、素直に心に響くものになっていました。

主人公のエヴァン(フレディ・ハイモア)は養護施設で11年間暮らしており、未だ両親が迎えに来ることを信じていました。11年も放置されている以上、彼の周囲は両親に期待していないのですが、彼にのみ聞こえる音楽を頼りに頑なに耐え続けます。エヴァン役のフレディ・ハイモアの表情や立ち居振る舞いに毒気が無く、見事なくらい本作のストーリーに馴染んでいて良かったです。

エヴァンが養護施設を脱走してからが本作の見どころとなっており、路上演奏で稼ぐ子供たちの親玉のウォレス(ロビン・ウィリアムズ)に音楽の才能を見出され、金づるとして売り出されたり、教会の合唱団の少女から作曲の方法を学んだことで作曲でも天才的な能力を見せつけたりと、エヴァンの人生がどんどん上向いていく様子が観ていて楽しかったです。ウォレスが悪役のようにエヴァンに立ち塞がる展開も緊張感が出て良かった。

それと同時に、エヴァンの両親もそれぞれ動き始めます。2人の出会いや顛末があまり描かれていなかったので、2人の関係が薄っぺらく見えて仕方が無かった。それでも11年の時を超えても再会を望んだ2人だから結果的に納得せざるを得ませんでした。

かなり都合よく進むストーリーですが、主人公の純粋無垢な願いがハッキリと映像で伝わってきたので、望むべき結末を用意されて満足できました。

なかなか良い作品だったと思います。

鑑賞日:2025年3月3日
鑑賞方法:NHK BS
(録画日:2024年1月8日)
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