三澄

クレイマー、クレイマーの三澄のレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
3.9
課題名画5
これは涙が止まらない…
余韻が心に染みわたる完璧な終わり方

父子家庭というものを映画で見る機会がなかったので新鮮に感じた

母子家庭とはまた違う、二人の男同士の関係性の描き方がとても良い

絵本を読んだり抱きしめたり笑いあったり通常の親子らしいシーンもありつつ、2人で調理しないお皿に並べるだけコップに注ぐだけの簡単な朝食を用意しテッドは新聞を読みながらビリーはコミック雑誌を読みながら一言の会話もなくもくもくと食べるシーンや、何度も何度も一緒に作ったと思わせるスムーズな役割分担のフレンチトースト作りのシーンでもやはりその間に一言も会話はないのだけれど、彼らの強い絆を感じるし母子ではなく父子らしい

そして子供を置き去りにしたことへの罪は簡単に拭えないとしても、母親の気持ちもわかる。求められる妻や母親を演じ続けて心がどんどん死んでいき未来が全く見えなくなる事も、大人だって完璧ではない。そして姿を消すぐらいのことをしなければおそらくビリーは何も変わらなかったと思う。子供が一番可哀想だし置き去りにしたことに怒りが湧いたけど最後の彼女の選択も含め許せた


「妻はよく野心を持つのに性別は関係ないと言っていた、僕もその通りだと思う。
それと同じように、よい親になるのに性別など関係ないはずだ」
三澄

三澄