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クレイマー、クレイマーのkojikojiのレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
3.8
1979年 アメリカ映画
第52回アカデミー賞作品賞 5部門受賞
(65/95)
公開当時、アメリカ国内において社会問題となっていた離婚・親権を真正面から捉えた作品で、大きな話題になった。

私は封切り時に観ているから、まだ結婚も考えていない時期だ。それだけに、この映画の本当のところは多分理解していない。というか、関心もなかった。観に行ったのは、ただ当時人気絶頂期のダスティンホフマンの映画が理由だ。

クレイマー、クレイマーは所謂「クレイマー」の話ではない。同じ名前の人の裁判、つまり離婚裁判のことだ。

重役への昇進が決まったデッド(ダスティン・ホフマン)そのことをいち早く妻ジョアンナ(メルリ・ストリープ」に知らせようと家に帰るが、突然、ジョアンナは家を出て行きたいと言い出す。
二人には5歳の息子ビリーがいた。
その日からデッドとビリーの悪戦苦闘の二人暮らしが始まる。

子育てが如何に大変なことかすごくよくわかる。
この大変さがこれまで見向きもしなかった妻の生活にテッドが光を当てることになる。仕事にも行き詰まり、それからテッドは大きく成長していく。勿論映画はそんな大袈裟に成長が示すわけではない。
一つだけでそれを見せる。
フレンチ・トーストを作るシーンだ。テッドは当然家事に疎い。
卵は割れない、容器か違う、ミルクの量も違う。その挙げ句マルコゲにしてしまう。
コーヒーも入れらない。
ビリーが呆れたようにそれを見ていた。
それが、いよいよビリーと別れなければならないとなった朝。二人は何も語らず、淡々とフレンチトーストを作る。テッドがビリーに笑顔を見せる。もう短気なテッドはそこにいない。

テッドが離婚と子育てで学んだものは大きい。人の気持ちを思い計ることを知ったテッドに明日は来るのか。

きっと来ると信じたい。

2023.04.16視聴163
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