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クレイマー、クレイマーのあのネタバレレビュー・内容・結末

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

エレベーターで終わった時点で勝ち

しかしカットをかけるのが早すぎて、若干余韻に欠けていた印象です。カフェのシーンではダスティン・ホフマンにピントすら合ってなくて、そうも慌てて撮る必要もなかったろうに...と思ってしまいました。撮影にネストール・アルメンドロスまで呼んどいてさ...

せめて上がっていくエレベーターとそれを見送るダスティン・ホフマンにエンドクレジットを出し続ける余裕くらいあってもよかったと思われます。せっかくのフレンチ・トーストも台無しだぜ...

とは言え、無気力な大学生かと思ったら、汚くて人情味溢れる浮浪者で、忙しい父親でもあるダスティン・ホフマンの役者としての器のデカさに改めてびっくりです。2時間で8ヶ月を納得させる父親の成長の快演がそこにありました。メリル・ストリープの神経質な眼差しも素晴らしく、前後関係の省略された物語の割には観るものにリアリティを感じさせる本作の肝は間違いなく役者にありと思わされる一作です。
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