がちゃん

クレイマー、クレイマーのがちゃんのレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
4.3
自分自身を見つけたいという夫にはわけのわからない理由で家出した妻、ジョアンナ(メリル・ストリープ)。
残された夫、テッド(ダスティン・ホフマン)と5歳の息子ビリー(ジャスティン・ヘンリー)。

仕事人間だったテッドは、その日からビリーの世話を一からみることに。
母恋しのビリーと時には衝突しながらテッドは悪戦苦闘の子育てをし、以前より強い心のつながりができるが、突然ジョアンナが息子を取り返したいと申し出てきて、親権をめぐり法廷闘争に。

ビリーの世話に手を取られることによって、エリート社員だったテッドは失業してしまい、裁判は圧倒的に不利な状況に・・・

怪我をしたビリーを抱えてニューヨークの街を走り回る。
仕事を邪魔されて怒るテッドと反抗するビリー。
仲直りのお休みのキス。
初めて乗れた自転車。
感動的な共同作業のフレンチトースト造り。

心温まるシーンが連続する中、
法廷でのテッドとジョアンナの対決シーンがクライマックスになる。
証言台での弁護士からの厳しい質問に時折涙するジョアンナと視線だけでそれをたしなめつつ慰めるテッド。
二人の感情が溢れ出すこのシーンは名場面だ。

クレイマー夫妻の断絶を象徴するエレベーターの使い方も見事。

この裁判の結果はここでは述べないほうがいいですね。

この年のアカデミー作品賞が、『地獄の黙示録』を抑えて本作が作品賞を受賞したのが、この時代のアメリカの空気を感じることができて興味深い。
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