ろーたす

クレイマー、クレイマーのろーたすのレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
4.7
ファミリードラマ、離婚映画のレジェンド作品。
もはや、この1本で離婚映画という一つの大ジャンルが確立出来るほどの名作。
離婚の親権争いは地獄だと心に刻みつけてくる痛烈さと親子関係の他にない温もりを、親子3人の珠玉の演技やフレンチトースト&エスカレーターシーンを用いた、ストーリーの一巡演出により、108分の短さながら、本当に18ヶ月の歳月をずっと見守ってきた分の感情が溢れてきました。

テッドの考えとして、自分はキャリアを積む。妻は家庭の、そして俺のサポートをしてくれる存在。彼女の声には耳を傾けない。(離婚話を電話で遮るシーンが的確に表していた)
そりゃ出て行くわ、でも息子は?
「普通、子供を連れて出て行くもの」
そんな私自身も、型にはめていた事に後半気付かされました。
裁判でテッドが主張した通り、ライフスタイルを性別で型にはめる事がもう古い考えだと痛感。
両者の視点を汲みつつも、ハッピーエンドへ向かうラストによって、離婚映画なのに後味は悲しみだけじゃない涙が流れます。
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