一姫二太郎

カラー・オブ・ハートの一姫二太郎のネタバレレビュー・内容・結末

カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

(あらすじ)
白黒テレビ時代のホームドラマ「プレザントヴィル」の世界にひょんなことから紛れ込んでしまった主人公兄妹。そこは、全てが道徳的で順序立てされており安全で愉快な世界。しかし、兄妹の行動により、秩序が乱れ、世界の'色'が徐々に塗り変わって行き・・・

これも思い入れのある作品。
中学生ぐらいの頃、地元ローカルテレビで深夜にマイナー映画をやってて、よく観てた。
正直、その時見てたほとんどの映画タイトル覚えてなかったし、(なぜか、「コクーン」は覚えた)
この映画も同様だったけど、
「有色人お断り」というこの映画のワンシーンの看板の文句だけは、当時非常に衝撃を受けてよく覚えてる。
これは、白黒の世界の中で、'カラー'(有色)になった人々に向けられたものなのだが、わかりやすいくらい現実の人種問題に対してのブラックジョークになっている。

これに限らず、この映画は風刺や皮肉に富んでいて、男のエゴだったり、女性の社会進出だったり、表現の自由だったりをこれでもかと、ストレートに"愉快に"描いている。
観た当時は何も考えなかったけど、ある種の悪役として描かれる"保守的な大人の男"としてなんだか、考えさせられるものもあった。

あんまり、メーセッジ性が強すぎると逆に敬遠しちゃうけど、ただただ普通に、ヘンテコなストーリーと、モノクロとカラーが混在する不思議な画面と、ウィットに富んだジョーク連発で、普通のコメディ映画としても、普通に面白いと思います。

思い返せば、学生時代に、似たような内容のコントを書いたこともあったし、ほのぼのブラックジョークは今でも好きなので、忘れかけてたけど、自分の人生に多大な影響を与えた映画でした。
一姫二太郎

一姫二太郎