さ

他人の顔のさのネタバレレビュー・内容・結末

他人の顔(1966年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

タイトルから面白そうで前から気になってた作品。あと安部公房も気になっていた。

白黒だから尚更マスクのクオリティが高くて、途中からは初めからその顔を持っていた人として主人公を見ていたように思う。

傷ごと愛してほしいとか、化粧を化粧と隠さないとか、言葉にしない優しさとか女性的感性みたいなテーマもあると感じた。この頃の男性がひどく身勝手だったのだろうか、それとも顔が悲惨になってしまった反動でひねくれてしまったのか。
でも顔が変えられるというようなテーマは、今の整形とかAI技術にも繋がるなと思いながら見ていた。
その人らしさとかその人たらしめるものって、どこなんだろうと考えさせてくれる作品。

精神科医が関わるからか、障がいを持った人々が所々に出てくる。そういう人たちが持っているようなある種の鋭さを、リアルに描いているから何かしらの関わりがあったのかな。
あと途中でパラレルワールドのように兄妹の物語も挟まれる。どっちにしろ救われてない

病院のセットが独特すぎて良い。
最後の終わり方は、残酷ながらもかっこいいと思ってしまった。
奥さんがひたすら我慢強い人で尊敬の念さえ湧いてしまう。
さ