サーフ

病院坂の首縊りの家のサーフのレビュー・感想・評価

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)
3.5
最近、原作の方を読んだばかりなので話の筋は粗方頭に入った状態で鑑賞したけれど、原作とこの映画の内容全然違っててびっくりした。

原作は病院坂の首溢りの家で起こった事件を描いた前編と20年後に起こる惨劇を描いた後編に分かれているけれどこの映画では前編の部分しか描かれないし、キャラクターの立ち位置や特徴も違ってくるし、死に方も全然違う人多いしで原作と映画では全然別物の作品みたいになってる。

それでも原作の持つ横溝正史作品らしい不気味な雰囲気は持ってる。原作では結構読み進まないと登場しないインパクト大の殺人現場をいきなり序盤に持ってきて一気に金田一耕助の世界に惹きこまれる。

原作の時間軸で20年という長いスパンをかけて紡がれてく登場人物たちの数奇な運命を滅茶苦茶コンパクトに纏めてて尚且つ原作の雰囲気は保ちつつ原作とは一線を画してるのにちゃんと面白い。
ただ家系図が複雑で途中からなんのことやら分からなくなるのは同じ。寧ろ映画の方がより複雑に感じる。

カット数がいきなり多くなったり、カメラワーク、白黒映像を効果的に使用など映像表現もとても印象的。

後、作者の横溝正史が出演してて演技してる姿はなんだか微笑ましい。というか映画の一番最初に登場するのが原作の作者ってあんまり無くない?
サーフ

サーフ