kaitomo

オアシスのkaitomoのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
3.8
社会不適合者の男と脳性麻痺の女のラブストーリー。最初に彼が彼女にする行動も完全にアウトで、完全に犯罪である。
彼女は言葉も行動も思うように操れない。男も理性的な行動や理論的な思考が困難で他者から理解されない。二人ともままならぬ人生を送ってきたはずだ。
そんな二人が一緒にいるときは、ままならなさがフラットになり、固定観念は排除される。相手の本質だけを見て、一対一の人間としての関係性ができあがり、それが二人にとってのオアシスになるのである。
二人の個性を、誰もが共感できるような姿に加工することなく、ダイレクトに表現しているのが本作の凄味。一般人は序盤で必ず眉をひそめてしまうだろう。
これは本当に純愛なのか。ただの拠り所でないのか。いや、それの何が悪いのか。と、かく言う私も、簡単に好きと言えない、複雑な感情を持った。
家族みんなが不快感を露にしていた場面で、隣でただニコニコしてたおじさんにやたら癒された。
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