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オアシスのレクのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
5.0
第59回ヴェネツィア国際映画祭で最優秀監督賞、新人俳優賞(ムン・ソリ)、国際批評家連盟賞を受賞。
極限の純愛を描いた『オアシス』。

前科3犯の男と脳性麻痺の女、不自由な二人が人倫から隔離される二人だけの世界。
これこそ正に純愛映画。
世間の目や各々の立場は愛の障害にはならず、現実と幻想、夢の中でさえもその愛は育まれる。
我々の倫理観や道徳概念をぶち壊し、他の恋愛映画と一線を画す大傑作。

言葉にしなければ伝わらないこと。
言葉にすることで強まる意志。
言葉を交わすことで得られる共感。
逆に
‪言葉にしなくても伝わること。‬
言葉にしちゃうと安っぽく見えること。
言葉を交わさずとも感じる共鳴。

"愛"を伝えるために言の葉が紡ぎ出すものの大切さを。
そして"愛"を伝えるのに言の葉として表せない感情を。

ちょっと鑑賞後は「何も言えねえ」放心状態で座席から立つのもやっと。
偏見の意識を揺さぶり、表面上に見えるものだけでなく共感しにくい題材に感情移入させ、心の奥底にある何かを揺さぶるように魂を震わせ、我々の心をも飲み込んでしまう圧倒的演技力とそれを昇華させる圧倒的説得力。
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