櫻イミト

格子なき牢獄の櫻イミトのレビュー・感想・評価

格子なき牢獄(1938年製作の映画)
3.5
20代で夭折した伝説の戦前フランス女優、コリンヌ・リュシェール(当時17歳)の代表作。日本では1939年(昭和14年)に公開されキネマ旬報ベストテン第2位。

少女感化院の新院長イヴォンヌは“真の愛情によって不良少女は更生する“と高い志を持って少女たちを指導、世をすねた娘ネリーと信頼関係を結んでいく。ところが、イヴォンヌの婚約者の医師とネリーが急接近していく。。。

戦前のインテリ青年を虜にしたコリンヌ・リュシェール。遠藤周作は「彼女はわれわれの青春時代の象徴である」と語っていて、現代の眼から見ても納得のカリスマ性を放っていた。

不良少女ヒロインの先駆ではないだろうか。教育とメロドラマ要素が絡み合いシンプルに面白かった。そして兎にも角にもコリンヌの存在感が映画を引っ張っていた。

※コリンヌはシモーヌ・シニョレと同年齢で友人だった。

※戦時中コリンヌはナチス軍将校の愛人だったため、パリ解放後に糾弾を受け、頭を坊主にされて投獄されたという。
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