みや

アモーレス・ペロスのみやのレビュー・感想・評価

アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)
3.8
【何かを得ようとするためには、何かを失わねばならない】

「飼い犬は犬と一心同体。そして、何というか、犬が生きる喜びとなる」

3つの物語が事故という一瞬の出来事で交差し、それぞれの道に知らぬ間に影響を与えてゆく。

そして、そこに居合わせる犬が登場人物の生き様を的確に表している。

オムニバス的な物語の展開だが、伏線となるフックを張りつつ、視聴者に分かりやすくかつ巧妙に違和感を与える構成と、圧倒的なカメラワークに脱帽した。

それぞれに強さと弱さがあって自分勝手な人間味のある物語だが、どうしても残された者たちの人生について考えてしまう。

“人は失ったもので形成される。人生は失うことの連続だ。失うことでなりたかった自分になるのではなく、本当の自分になれるのだ(イニャリトゥ監督)”
ー人は何かを失った時、本性が垣間見えるのかもしれない。
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