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アモーレス・ペロスのadeamのレビュー・感想・評価

アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)
3.0
ガエル・ガルシア・ベルナルの出世作であり、メキシコの名匠イニャリトゥの初監督作品。
兄嫁に横恋慕して逃避行のために闘犬で金を稼ぐ青年、不倫相手との念願の同棲生活が交通事故と部屋の床に空いた穴から狂っていくモデルの女性、家族を捨て裏稼業で生計を立てながら愛犬たちと暮らす初老の男、三つの運命が交錯するストーリーです。
登場人物が軒並み暑苦しいほど感情的で、多少歪んだ形ではあれそれぞれの物語において割とピュアな愛情が存在し、そしてそれは報われることがありません。
そのやるせなさが浮かび上がっていく適度に入り組んだ構成が秀逸で、後のイニャリトゥ作品が技巧に溺れて複雑化しすぎていると思わずにはいられませんでした。
三つ目の話はもっと決定的な役割を果たすかと思いきや、絡み方が今ひとつ薄いのがもったいなかったです。
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